第1章

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 二人で部屋の隅やシャンデリアまで見たが、盗聴器は無かった。 「友達じゃなかったのか?」 マックスが聞いた。 「昔と状況が変わったんだ」 二人は散らかったリビングを、一緒に片付けた。 レイフはムーニーに電話をした。 「ゾーイが殺されていた」 「え?コナーは?」 「部屋にはいなかったが…俺が出かけている間にうちに来たらしい。マックスが出た」 「どういうこと?」 「分からない。マックスが家に上げたんだが…水を飲んだだけで、数分で帰ったそうだ。どこかコナーが行きそうな場所は無いか?」 「調べとく。ね、コナーがゾーイを殺したの?」 「さぁ…そう考えるのが妥当かな…」 「ピンカートンを裏切ってまでゾーイと逃げたくせに…、殺してしまったから、あなたに助けを求めに来たのかな」 「コナーが?そんなことで助けを求めるなんて…考えられない」 だいたい、レイフが知っているコナーは、賢くて自信に満ち溢れ、明るかった。マックスが見たコナーとは正反対な気がした。 それに、裏切った人間がレイフの自宅に来て、マックスを傷つけること無く大人しく部屋でレイフを待とうとしたのは不自然だ。 ふと、何か別の事件に巻き込まれたのかもしれないと思った。それなら、レイフに相談に来たとしても、おかしくは無い。 「コナーは本当に裏切ったのか?」 「ゾーイと二人で逃げ出してからはずっと音信不通のままよ…やるはずだったクリントはピンピンしたままだし」 普通は裏切ったと考える。 「ムーニー、もしコナーが裏切ったわけじゃないとしたら、どうする?」 「そんなことってあるの?」 「分からない。例えば…ゾーイと、誰かに無理やり連れて来られたとか…」 「それこそ考えられないんだけど…。とにかく…コナーの居場所を、捜査員に調べてもらうわ。また連絡する」 ムーニーはそう言って電話を切った。
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