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僕の家は両親とも仕事で忙しい。二人とも第三階級の労働者だ。第三階級・・・つまり企業の役員クラス。第三階級の共働き夫婦には家事と育児用の人型ロボットが公認されていた。両親は殆ど家にはいない。家にいたとしても二人とも僕と会話をしては自室へ消える。長期休暇以外は甘える事ができないんだ。
幼少の頃の殆どは、母親が忙しい時は、母親がプログラムした時間にプログラムした通りの遊びをユキナがしてくれていたっけ――。
「そうだ。僕がすれば良いんだ」
そう思いつくのに時間はかからなかった。僕にとってユキナは両親以上に大切な存在かもしれない。今の僕ではすぐに会話のできる状態にするのは難しいだろう。けれど僕がプログラムした言葉をユキナが発するぐらいならなんとかなりそうな気がした。
次の日から、僕は母親がプログラムを入力する時に使うパットをこっそり手に入れ、ユキナのデータを一時的に解除してユキナを調べた。
機械工学を授業で習っているとはいえ、大人が作ったロボットをそう簡単に改良できる訳もなく、何日も月日は流れた。
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