無口なキミと、

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いつの間にか楽しみになってる、放課後がきた。 放課後はいつも一緒に帰る。 ふたりだけで。 昔からそう。 ふたりだけ。 誰にも邪魔されず、時にはふたりして無言だけど、一緒に帰るんだ。 「陽太、帰ろー!」 鞄を肩にかけ声をかけると微笑みを浮かべ振り返る。 本当に昔から……変わらないんだから。 昔の陽太も、今の陽太も、私だけが知ってる。 幼なじみだから当たり前なのに、優越感に浸ってしまう自分がなんだかむず痒い。 「あっ、割引券あるし今日はドーナツ食べてこ?」 「………!」 割引券を見せつければ、甘党だから嬉しそうに大きく頷く。 くっ……可愛い奴め。 ニヤニヤしないよう気をつけながら学校を出た。
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