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「…どうせあげるなら、ちゃんとしたものをあげたいし、
…そういえば、美樹ちゃんに兄弟は?」
「私? 私も二つ違いの妹が一人います。
今は実家に住んでますよ」
「へえ…、
美樹ちゃんお姉さんなんだ。
その割には…」
「…割には何ですか?」
「…なんでもございません」
「しっかりしていないって言いたいんでしょ?
…自覚してますよーだ」
「あ、自覚あったんだ。へえ~」
「……岡崎さん、殴っていいですか?」
私はまたふんっと怒って、今度はグーパンチで岡崎さんの二の腕を殴った。
「いてッ! とに馬鹿力! 腕が折れる」
「これぐらいで折れてたら貧弱過ぎます。もっと鍛えたらどうですか?」
「何? 美樹ちゃんはマッチョ好き?」
「ええ、大好きですよ? 私よりもすごーくマッチョな人が!」
私が思いっきりいーっって顔をしたとき、店員さんがラッピングしたものを持ってきてくれた。
…この後はこのまま帰っちゃうのかな…?
目的のものは選び、買った。
…用事は全部済んでしまった。
だからって、
『はいさよなら』には時間も早いし、ちょっと寂しい…
先を歩く岡崎さんの後ろ姿を見ていると、一つ妙案が浮かんだ。
「岡崎さん、
…ちょっと私も買いたいものがあるんですけど、少し待っててもらえますか?」
岡崎さんは私の声に、立ち止まって振り向いた。
「なに? 付き合うよ」
「……下着売り場ですけど、いいんですか?」
「…終わるまで、俺は本屋で時間潰してる」
買い物が終わったら私が本屋さんに行くことで話がついて、私と岡崎さんは一旦別々で行動することになった。
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