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「お待たせしましたー。
…何読んでいるんですか？」
買い物を済ませた私は、まっすぐ本屋に向かった。立ち読みしている岡崎さんをすぐに見つけ、話しかけた。
「ん。参考書」
「参考書？！」
岡崎さんは本をパタンと閉じると、表紙に書かれたタイトルを私に見せるように持った。
「…法人税？」
「そう、もうすぐ試験があるんだけど、受からないと税理士にはなれないから」
「税理士？」
私が驚いて聞き返すと同時に、岡崎さんは本を棚に戻し、その場を離れるように歩き出した。
「今は先生の元で勉強させて貰っているけど、いずれはね…」
「…独立して…ってことですか？」
「…ゆくゆくは。
その為には法人税以外にもこれから試験に受からないとだけどね」
「…試験、ですか」
「うん。まぁ、受け持ちのクライアントも牧野さんに比べれば少ないし、経験も、まだまだだから、独立なんて当分先の話だけど」
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