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岡崎さんは、ウキウキと乗り気の私を見てふっと口元だけで笑うと、私の前を歩き出した。
「税理士になるのってほんっと難しそうですね…」
「……またその話するの?」
買物でウロウロし過ぎて疲れた私は、休憩するためにお茶をしようと提案。
本屋のすぐ近くにあったモダンなカフェに入ってようやくひと段落。
岡崎さんはシナモンスティックの添えられた、香りのよいチャイを美味しそうに飲んでいたのに、私がふった話の内容を受けて、あからさまに面倒くさそうな顔になった。
「……だって、気になるんですもん」
私はアールグレイをふーふー冷ましながら、視線だけ上げて岡崎さんの返答を待った。
「…牧野さんも今年受けると言ってたけど」
私が聞きたいのは牧野さんの話ではなく、岡崎さんの話なのに…
「岡崎さんがいつも勉強しているって、なんか意外でした」
「意外って失礼な」
「毎晩飲み歩いているのかと」
「…毎晩は飲みに行ってない。週末くらいだよ」
「勉強って、どうやっているんですか?
やっぱり仕事終わったあとに自宅でしてるんです?」
聞いたら答えてくれる岡崎さんをさらに質問攻め。
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