293人が本棚に入れています
本棚に追加
「え?
学生じゃなくてもいいんですか?」
「うん。一般でもいい。
時間規制がある分、図書館の方が集中出来る。
残業がなければほぼ毎日、仕事帰りに寄ってるよ。週末は勉強してから谷やんとこで夜ご飯と酒飲んで帰ったり…」
「へぇえ! ほんと意外…!」
「…なに?
俺ってどんだけちゃらんぽらんイメージなの?」
「だって…顔が…」
「は?」
私は慌てて岡崎さんから視線を逸らし、アールグレイを飲むのに専念するふり。
「顔が何だって?」
ちらりと視線を上げ岡崎さんを見る。
目を細め、訝しげな顔で岡崎さんは私を見ていた。
「…以前、私の歓迎会で事務所の皆さんと飲みに行ったでしょ?」
「ああ、そんなことあったね。それってだいぶ前…」
「…二次会で事務所行きつけのスナック行ったの覚えてます?」
「…行きつけ?
……スナック、“ せせらぎ ” …?」
「そこです!
そこでお酌してくれる若い可愛いおねぇさんが岡崎さんの横に…」
「…そういえば座ってたね。名前、忘れたけど。
それが何?」
「…あの時岡崎さんの、鼻の下伸びてたのが、すっごーく印象的でして!
岡崎さんが飲むっていうと、あのでれっとした顔しか思い浮かびません!」
「はぁ?!」
最初のコメントを投稿しよう!