*7*

16/30
前へ
/30ページ
次へ
「え? 学生じゃなくてもいいんですか?」 「うん。一般でもいい。 時間規制がある分、図書館の方が集中出来る。 残業がなければほぼ毎日、仕事帰りに寄ってるよ。週末は勉強してから谷やんとこで夜ご飯と酒飲んで帰ったり…」 「へぇえ! ほんと意外…!」 「…なに? 俺ってどんだけちゃらんぽらんイメージなの?」 「だって…顔が…」 「は?」 私は慌てて岡崎さんから視線を逸らし、アールグレイを飲むのに専念するふり。 「顔が何だって?」 ちらりと視線を上げ岡崎さんを見る。 目を細め、訝しげな顔で岡崎さんは私を見ていた。 「…以前、私の歓迎会で事務所の皆さんと飲みに行ったでしょ?」 「ああ、そんなことあったね。それってだいぶ前…」 「…二次会で事務所行きつけのスナック行ったの覚えてます?」 「…行きつけ? ……スナック、“ せせらぎ ” …?」 「そこです! そこでお酌してくれる若い可愛いおねぇさんが岡崎さんの横に…」 「…そういえば座ってたね。名前、忘れたけど。 それが何?」 「…あの時岡崎さんの、鼻の下伸びてたのが、すっごーく印象的でして! 岡崎さんが飲むっていうと、あのでれっとした顔しか思い浮かびません!」 「はぁ?!」
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

293人が本棚に入れています
本棚に追加