*7*

17/30
前へ
/30ページ
次へ
「お、岡崎さん、声大きい…」 隣の席の女子高生が私たちをちらりとみて恥ずかしくなった。 「…鼻の下、伸ばした覚えない」 「…そうですか? 結構あの日、飲んでいらっしゃったかと…」 「…会社の人は皆歳上、先輩と飲みに行ってるんだから、ハメ外したりしていない」 「…どう見てもデレデレでした…」 「おい、聞け! 森乃美樹!」 少しムキになり、慌てる岡崎さんが珍しくて私はさらに調子に乗った。 実際この時、私は岡崎さんに『女好き』のレッテルを貼った。 「かっこいい、今若手の俳優の人に似ている、ってちやほやされて、満更でもない顔を…」 「…んな顔、して無いって」 「してました。だって…」 あの時もこの間の合コンと同じ位置関係だったのにのに…。 「だって…なに?」 「……私のこと、テーブル挟んで向かい側にいるのに、ガン無視でしたもん」
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

293人が本棚に入れています
本棚に追加