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「お、岡崎さん、声大きい…」
隣の席の女子高生が私たちをちらりとみて恥ずかしくなった。
「…鼻の下、伸ばした覚えない」
「…そうですか?
結構あの日、飲んでいらっしゃったかと…」
「…会社の人は皆歳上、先輩と飲みに行ってるんだから、ハメ外したりしていない」
「…どう見てもデレデレでした…」
「おい、聞け! 森乃美樹!」
少しムキになり、慌てる岡崎さんが珍しくて私はさらに調子に乗った。
実際この時、私は岡崎さんに『女好き』のレッテルを貼った。
「かっこいい、今若手の俳優の人に似ている、ってちやほやされて、満更でもない顔を…」
「…んな顔、して無いって」
「してました。だって…」
あの時もこの間の合コンと同じ位置関係だったのにのに…。
「だって…なに?」
「……私のこと、テーブル挟んで向かい側にいるのに、ガン無視でしたもん」
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