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入社したての時は、私にも彼氏がいた。 岡崎さんのことはかっこいいなと思ってはいたけれど、仕事中も歓迎会でもよそよそしくて。 向こうから親しくしようとする気配の一欠片も無かったわけで。 楽しめなかったのは、 目の前で私の存在を忘れ楽しんでいる岡崎さんのせいでは無いということは、頭では分かっていたけれど。 …正直、面白くは無かった。 「……無視なんてしていないよ」 岡崎さんにとっては今更なのかすこし呆れ気味ながらも私に気を遣ってくれた。 「…別にいいです。 ずっと前の話ですし、女関係でもちゃらんぽらんだけじゃないって最近少しだけ分かってきましたから…」 「え…少し?!」 「だって、岡崎さんはクライアントの女性からもモテモテだと、牧野さんが言ってましたし」 私はネタは上がっているんだっ!といい気持ちでにこりと勝ち誇った顔で笑いかけた。 「…そうでございますか。 …牧野さん、余計なことを…」 「あ、モテモテなのは否定しないんだ?」 「……もう少し先輩を敬え!」 「わ! ちょっ…何するんですか!」
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