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「メイクよし! 服のシワも無し!!」
いよいよ、約束の日曜日。
私は念入りに支度を済ませ、鏡をチェック。
ピロン。
私は急いでスマホを手にとって画面をタップした。
《 着いた 》
ラインを読むとすぐに部屋を飛び出した。
トントン、と足早に階段を下りる。
すぐそこで岡崎さんが待っているかと思うと、緊張と興奮で胸がドキドキした。
「こんにちはッ!」
息を切らしたまま、運転席側の窓を開けこっちを見ている岡崎さんに挨拶をした。
「ちわ。元気だねえ…」
休日仕様、ラフな格好の岡崎さんは、いつにも増して気だるそうだ。
私に気を許し始めている証拠!
…と、思いたい。
これが私にだけ見せてくれる、彼のオフの姿だとプラスに受けとって、笑顔を作る。
「助手席、お邪魔しまーす!」
「…どうぞ」
岡崎さんが女の人と一緒に歩いていたのを見かけたのは昨日のこと。
…もちろん気にはなっていたけれど、
こうして休日を一緒に過ごせることの嬉しさが勝って、すぐにその話を切り出すことが出来なかった。
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