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「若いし、美樹ちゃんはかわいいよね」
わざわざ顔を近づけてにこりと笑って言った。
「!」
一瞬だったけどその近さにどきっとしてしまった。
てか、な、なんだ? いまのは…?!
どういう意味よ!?
やっぱり女の人に可愛いとかさらっと言いなれているんだ! きっと!!
私は恥ずかしくなって目を逸らし、きょろきょろと他のものを探すことに専念した。
「…じゃあ、腕時計は?」
「却下」
「じゃあ…、香水は?」
「ヤダ」
「……じゃあ、下着…」
「……俺、妹に殺されろと? 絶対嫌!」
「……ですよね」
なんか…いつも通りのやりとりだな…
さっきの可愛い発言は特に深い意味はなかったんだ。
なーんだ、やっぱりね! なんか…ドキドキ損!
結局岡崎さんは迷いに迷った挙句帽子とバッグを購入。
店員さんにラッピングしてもらう間、店内をぶらぶらしながら待った。
「奮発しましたね。いいなぁ。
岡崎さんみたいなかっこいいお兄ちゃん、私も欲しかったー」
バッグだけで十数万円なのに岡崎さんはポンとその場で現金で支払った。
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