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「読めば普通にわかるでしょ。美樹はまず、日本語の勉強から始める必要があるんじゃない」 問題集から顔を上げ私を見る。 「…もう! それは必要ありません! この問題は難しすぎるんです!長いしわざと混乱させるような書き方してあるし…!」 「ははっ。ムキになってる。 はいはい。そうだねー難しすぎるよねー」 小馬鹿にされても、本心ではそこまでムキになっていない。 …岡崎さんと言い合い、 じゃれ合うのは嫌いじゃない。 …むしろ、 今の関係は心地よく、 …好き。 「…すみません。貴重な休憩時間、一服を邪魔してまで質問なんかして…」 付箋だらけの私の問題集。 分からない所に貼っておけば後で教えてあげる、と言ったのは岡崎さん本人。 だけど、休憩の度に私に教えてたんじゃ気分転換にならないかも…。 「…税理士を目指そうと決めた時、一番最初に取り掛かったのは簿記一級だった」 「……え?」
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