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「ちょっと、痛いです!
…撫でるなら、もっと優しく撫でて下さい!」
「何ぼけーっとしてんの?
あー、髪ボサボサになった」
「…したのは誰です?」
じとっと大げさに睨んで。
あまり怒っていないけど、怒っている空気を作ってみる。
もっと、もっとかまって欲しくて…。
「…髪ボサボサにした代償としてアイス奢って下さい」
「…さっき昼飯食べたばっかりだろ。まだ食うの?」
咄嗟に思いついたことを言ってみたら、岡崎さんが目を丸くして少し驚きながら私を見た。
「女子はデザート別腹です! 早くっ。
ほら、あそこにある自販機でいいので…!」
席を立ち、急かすように岡崎さんの腕をぐいぐいと引っ張った。
「何? お犬様のおねだり?」
「…ご主人様なら早く、かわいいペットのおねだりに答えて下さい」
「…ペット、ねぇ…」
岡崎さんの含みのある言葉に私は黙る。
…別に、後輩が嫌だからってペットになりたいわけじゃないけれど、
話の流れ的にそうなった。と言うだけで…
ふざけて言っただけなのに、
にやにやしながら私を見ないで欲しい…。
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