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「…こっちの話です。 あ、その付箋箇所、一文字目から意味わかんなくて…」 誤魔化すように付箋箇所を指差して、私は言った。 「一文字目…て、ただの勘定科目だろ。美樹本当に三級持ってんの?」 「も、持ってますよ! 失礼なっ…!」 「…じゃあ、この問題今解いてみて。そのアイス俺が持っててやるから」 私が返事をする前にアイスは呆気なく取り上げられてしまった。 しかも大きな口でがぶり… 「ちょっと! それ、私のアイス…! 食べるなら自分の買ってきて下さい!」 「…これ、俺が金出して買ってきたんだけど? いいから美樹は早く問題を解く! 終わったら中に入るからさっさとやれ」 「……っ!!」 言い返すことが出来なくて、仕方なく問題に目を通す。 「…やっぱり意味わかりません!」 「…俺に逆ギレするな」 呆れた顔で岡崎さんは私を見た。
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