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とろとろと、問題を解くのに時間がかかっている間にも、岡崎さんは私のアイスをすごい勢いで平らげていく。
「…ああ。私のアイスが…!
まだ私、一口しか齧っていないのに…」
羨ましげに見つめた。
「ぷ。美樹、マジ犬みてぇ」
「アイスが気になって集中出来ません!」
必死になって怒って言った。
「…そんなに欲しいなら一口やる。食べな」
「!」
ぐいっと目の前に差し出されたアイス…。
「…いいの?」
疑いの目で岡崎さんを見つめ、聞いた。
「食べようとしたら手を引っ込めるとか、からかったりタチの悪いことしそう…」
「…しないって。
早く食べないとアイス溶けて下に落ちる。ほら」
急かされて仕方なく私は、アイスを握る岡崎さんの手を両手で掴んだ。
「お前…!」
自分の方へ引き寄せ、
そのままアイスを齧った。
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