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夏の炎天下の元、
アイスはどんどん溶けていく。
「美樹…食べ過ぎ。
一口だけって言っただろ?」
「だって、もう溶けかけてる。
手、離して下さい。私のアイスです」
「…俺が買ってやったんだけど?」
「わっ! 垂れてきた…」
一悶着している間に私の両手と岡崎さんの右手に零れるアイス。
慌てて手を離そうとしたその時、
「!!」
岡崎さんのもう片方の手が伸びて来て、私の右手首を掴んだ。
「ちょっ…!?」
呆気なく私の右手は拘束された。
アイスで手が汚れているから離して。と、
言おうとした矢先、
岡崎さんが意外な行動を起こして、
私は固まった。
「ッ…!」
おちて行く。
零れたアイスが、
私の手首の内側を伝って、白い筋を作る。
その線を、
岡崎さんの舌がなぞるように私の手首にこぼれたアイスを舐め取っていく。
ジンと痺れたみたいに熱くなった。
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