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沢山の疑問符が一気に頭に浮かぶ。 泳ぐ目に映り込んだものは、さっきまで解いていた問題集…。 あ、これのこと? 「…どうせ、覚え悪いですよ! この問題だって何度も…」 「邪魔じゃないし、 興味ないわけじゃないよ」 「……え?」 私は喋るのを止め、ぽかんとした顔で岡崎さんを見つめた。 「…何度も同じ質問繰り返している」 「…え? や、だって…」 「…美樹は色々俺のことを誤解している。気付いてる?」 「…誤解?」 岡崎さん、なんのことを言っているの? 「…たぶん…」 「…たぶん?」 ここで黙り込まれても… …ますます意味が分からない。 そもそも、 人の手をいきなり舐めたり噛んだり、普通の人はしない。 するとするならば… 「…たらしでしょ」 私はボソッと呟いた。
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