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「……違う」
「じゃあ、女好き?
それか、すけこまし…」
「…どうして美樹の中での俺は、そうなった?」
「…ですから、
私の歓迎会の二次会でー」
「もういい。館内に戻るよ」
「…あ」
急に岡崎さんは立ち上がった。そのまま館内へと進んでいく。
溶けて無くなってしまった私のアイスを持って。
「岡崎さん待って…!」
問題集を鞄に詰め込むと、私は急いでその背を追った。
自動ドアを通り過ぎ、静かで広いロビーフロアを突き抜けて、奥にあるエレベーターに向かう。
壁には “ 館内禁煙 ” の文字と、“ お静かに ” の貼り紙。
エレベーター近くの小さなゴミ箱に岡崎さんはアイスの棒を捨てた。
勉強出来る閲覧コーナーは2階から5階まである。二人無言で、エレベーターが1階に降りてくる様子を表示するランプを眺めて待った。
この微妙な間が…
……気不味い。
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