*11*

7/26
前へ
/26ページ
次へ
「俺だって言ったら正気に戻って、邪魔するなって怒られたよ。その後しつこく絡んできたし、あいつリバースするし…」 「リバース?! そ、それは…大変でしたね。 お疲れ様です」 「…ほんと。 そんな予定じゃなかったんだけどね。 …図書館直行でいい?」 「あ。はい。 …お願いします」 車が私のアパートの駐車場から出て国道を走り、大学の図書館を目指して快調に飛ばして行く。 岡崎さん、図書館に行く予定じゃなかったって… 本当は、どんな予定だったんだろう? 私が昨日突然現れて予定狂ったんだよね。 きっと… 「…美樹、昨日疲れたんじゃない?」 「え?」 岡崎さんが前を向いたまま、考え事をしている私に話しかけてきた。 「…珍しく残業してたのに、俺もそれ忘れてて、遅くまで連れまわしたから…悪かった」 「…そんなことないです…!」 岡崎さんの優しい心配りの言葉に胸がきゅんとなった。 「今日、せっかくの休みなんだから無理するなよ」
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

203人が本棚に入れています
本棚に追加