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「俺だって言ったら正気に戻って、邪魔するなって怒られたよ。その後しつこく絡んできたし、あいつリバースするし…」
「リバース?!
そ、それは…大変でしたね。
お疲れ様です」
「…ほんと。
そんな予定じゃなかったんだけどね。
…図書館直行でいい?」
「あ。はい。
…お願いします」
車が私のアパートの駐車場から出て国道を走り、大学の図書館を目指して快調に飛ばして行く。
岡崎さん、図書館に行く予定じゃなかったって…
本当は、どんな予定だったんだろう?
私が昨日突然現れて予定狂ったんだよね。
きっと…
「…美樹、昨日疲れたんじゃない?」
「え?」
岡崎さんが前を向いたまま、考え事をしている私に話しかけてきた。
「…珍しく残業してたのに、俺もそれ忘れてて、遅くまで連れまわしたから…悪かった」
「…そんなことないです…!」
岡崎さんの優しい心配りの言葉に胸がきゅんとなった。
「今日、せっかくの休みなんだから無理するなよ」
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