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…一晩寝て、朝、冷静に考えてみると、
岡崎さん、本当は一人で勉強したいんじゃないかなって思えて仕方なかった。
でも、違った…?
私が黙って不安げに横顔を見つめていると、
その視線に気が付いて一瞬、岡崎さんは私を見た。
目を細め微かに笑う。
「…なんでそこ疑うの?
……邪魔じゃないよ」
岡崎さんの優しい声がじわっと、私の胸に染み込んでいく。
正面を向く。
…抜けるように青い空と浮かぶ雲の峰の隙間から刺す光は、変わらずキラキラと白く輝いて眩しかった。
加速していく衝動。
抑えられない欲求。
期待ばかりが…膨らんでいく。
確かなものなんて、何一つないのに。
今、この瞬間、
岡崎さんを独占しているように感じて、このまま時間が経てば距離も同じように縮まっていくと、私はどこか自惚れていた。
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