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…邪魔じゃない。 興味がないわけじゃないって、 言ってくれたのに… 勉強の合間、その意味を噛み締めて嬉しかった。だけど、 まだお昼の件が尾を引いて、 どこかぎこちなく、気不味い。 少し、緊張する。 「……」 エレベーターで岡崎さんのご機嫌、取り損ねちゃったから仕方ないか…。 無言ではむっと菓子パンを口に含む。 …口の中の水分を取られてもさもさになった。 ペットボトルのお茶を手に取るとごくごくと喉に流し込む。 「…それって、の続きは?」 買ったお弁当を食べるのを止め、岡崎さんは私を見て聞いた。 「…やっぱり迷惑ですよね」 笑顔を作って言った。 「……迷惑?」 「…一人の方が集中出来ますよね。 邪魔してごめんなさい」 岡崎さんからパンに視線を戻す。 「…美樹。だから何度も言ってるけど、邪魔なんかじゃ…」 「それでも! 私、 岡崎さんと勉強したいんです」 「…え?」
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