*14*

10/14
前へ
/33ページ
次へ
岡崎さんはおしぼりを渡した私の右手を、 強く掴んで言った。 「……責任? 私が風邪を引いたのは岡崎さんのせいじゃありませんから。お気になさらず! …は、離してください! 手を…」 触れられて、気持ちが昂ぶる。 私の血が凄い勢いで全身を駆け巡り、内側から熱を生む。 「…俺のせいだろ? いや、 ……俺のせいにさせて」 ぐいっと右手を引っ張られた。 「……どういう意味、ですか?」 岡崎さんには他に女の人がいる。 …それを隠して、別の女性である後輩の私に手を出そうとした。 私の気持ちに気付いておきながら…だ。 ……たちが悪い。関わりたくない。 ショックでいっぱい泣いた。 なのに… 「…美樹が心配だから、今日、 ここへ来たんだ」 …好きの気持ちが、 ……止まらない。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

198人が本棚に入れています
本棚に追加