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岡崎さんはおしぼりを渡した私の右手を、
強く掴んで言った。
「……責任?
私が風邪を引いたのは岡崎さんのせいじゃありませんから。お気になさらず!
…は、離してください! 手を…」
触れられて、気持ちが昂ぶる。
私の血が凄い勢いで全身を駆け巡り、内側から熱を生む。
「…俺のせいだろ? いや、
……俺のせいにさせて」
ぐいっと右手を引っ張られた。
「……どういう意味、ですか?」
岡崎さんには他に女の人がいる。
…それを隠して、別の女性である後輩の私に手を出そうとした。
私の気持ちに気付いておきながら…だ。
……たちが悪い。関わりたくない。
ショックでいっぱい泣いた。
なのに…
「…美樹が心配だから、今日、
ここへ来たんだ」
…好きの気持ちが、
……止まらない。
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