198人が本棚に入れています
本棚に追加
手をさらに思いっきり引っ張られて。
私は座っている岡崎さんの膝の上に半身乗っかかってしまった。
「…ちょっ! 何をす…」
「美樹、動くなよ」
「!」
左耳に髪をかけて、岡崎さんの指が私の耳たぶに触れる。
「…タオルに、引っかかってた。
美樹のピアス」
「!」
無理な体勢のまま体を捻って岡崎さんを見た。
「つけてあげるから…動かないで」
岡崎さんの手には、いつの間に無くしたんだろうと思っていた彼から貰ったピアス。
まさか…
岡崎さんの用事って…
私は岡崎さんに言われた通り、動かなかった。
彼の指と手が髪や耳や首筋に触れて…
くすぐったい。
「このピアス…やっぱり美樹に似合う」
岡崎さんは私の耳にピアスをつけると、なぜかご満悦の表情。
「……もう、離れても…」
体勢が辛くて体を動かそうとした瞬間、そのまま岡崎さんはそっと私の耳に口付けをした。
「んなッ…!!」
驚いて、急いで飛び退いた。
最初のコメントを投稿しよう!