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手をさらに思いっきり引っ張られて。 私は座っている岡崎さんの膝の上に半身乗っかかってしまった。 「…ちょっ! 何をす…」 「美樹、動くなよ」 「!」 左耳に髪をかけて、岡崎さんの指が私の耳たぶに触れる。 「…タオルに、引っかかってた。 美樹のピアス」 「!」 無理な体勢のまま体を捻って岡崎さんを見た。 「つけてあげるから…動かないで」 岡崎さんの手には、いつの間に無くしたんだろうと思っていた彼から貰ったピアス。 まさか… 岡崎さんの用事って… 私は岡崎さんに言われた通り、動かなかった。 彼の指と手が髪や耳や首筋に触れて… くすぐったい。 「このピアス…やっぱり美樹に似合う」 岡崎さんは私の耳にピアスをつけると、なぜかご満悦の表情。 「……もう、離れても…」 体勢が辛くて体を動かそうとした瞬間、そのまま岡崎さんはそっと私の耳に口付けをした。 「んなッ…!!」 驚いて、急いで飛び退いた。
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