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「…和花! どうしたの?」
「どうしたの? じゃないよ~聞いたよ?
ふられて風邪引いて、会社休んだって」
ドアを開けると和花が心配そうな顔して入って来た。
「……雅から聞いたの? …うん。
失敗しちゃった…!」
「遅くなったけど、慰めに来たよ?
はい、これ、お見舞いの品でーす」
「…スイカ?!」
等分に切られたスイカをお皿にのせて、顔の高さまで持ち上げて見せてくれた。
「ありがとう。どうぞ上がって?
一緒に食べよう!」
私はスリッパを取り出し、和花が履きやすいように並べる。
「あー…それが、私明日仕事が早出なの。もう寝る準備しなくちゃ。
それより美樹は起きてて大丈夫なの?
これ食べたらちゃんと寝て?」
「三日も休んだからさすがにもう大丈夫かな? 明日会社行くの気不味いけど…仕方ない」
正直、風邪はほぼ完治し、体の方は大丈夫になってきたけれど、心の方はまだキツイ。
「…避けては通れないからね。
なんとかなるでしょ!」
強がって明るく言ってみた。
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