198人が本棚に入れています
本棚に追加
「…また詳しく話、絶対聞くから。
とりあえず今は早く元気になってね。
それじゃ」
「うん。おやすみ」
スイカを受け取り、和花を見送ってからドアを閉めると、そのままドアに背を預け、ふう。とため息。
この数日、本当にたくさん泣いた。
泣いて泣いて泣きまくった。
なのにまだ…
気持ちは吹っ切れない。
置き去りになった心は、あの日の豪雨からまだ、抜け出していない。
「…はぁ」
…明日、頑張って出社しなくちゃ…
「…よし!
スイカ食べて気合い入れよう!」
ピンポーン…。
「…あれ? 和花、何かまだ用事?」
ドアのそばに立っていたものだから、ドアホンでいちいち確認などせずに、私はそのまま勢い良く開けた。
「え…!?」
と、呟き固まった。
最初のコメントを投稿しよう!