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「……よ。なんか、意外と元気だね」
突然現れて不意をつかれた。
「……岡崎さ……えっ?!
…和花かと思っ……」
「…中、入っていい?」
「!!」
私が呆然としている間に岡崎さんは、図々しくものそっと部屋に入ってきた。
…まさか、岡崎さんが家に来るんなんて…思いもよらなかった。
心が乱れ、落ち着かない気分が私を支配し始める。
「あ」
しまった…私、ルームウエアっ!
すっぴん! ノーメークっ!!
「…ッだ、だめですっ!」
「もう入った。
…そんなに、騒ぐなよ…」
「ッ……!!!」
声にならない叫び声をあげた。
「な、なんなんですかっ!
警察呼びますよ!」
「呼びたければ呼んだら?
なにそれスイカ? 頂戴」
「ッなんですって?! なんで岡崎さんにあげなくちゃいけないんですか!」
「…とに、元気だな。
犬みたいにキャンキャン騒ぐな」
岡崎さんは私の制止を物ともせず、和花のために揃えたスリッパを履くと一人勝手に上がり込む。
「お、岡崎さんっ!」
その背に呼びかけた。
岡崎さんはピタリと止まって、振り向いた。
「…用事終わったら、帰るから」
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