176人が本棚に入れています
本棚に追加
雅の口から発せられたシンデレラという言葉に、私は敏感に反応した。
「うん。シンデレラって、ひとときの魔法をかけてもらって王子様に見初められるけど、
こっちは消えない魔法よ。だって自分にいつでもかけられるんだもん。
待ってちゃ駄目だ。やることやって、
自分で自分を磨き、飾り、王子様に自分の足で見初められに行く!」
雅は艶やかに微笑んで言った。
「お洒落をするとかそういうこと?」
和花が小さく挙手して質問する。
「そうそう。あと、内面磨きとかね。
ガラスの靴は自分で用意するのよ!
…で、
王子様に振り向いてもらう方法なんだけどー」
「まって、雅。
王子様に…他に女の人がいる場合は…
どうしたらいいの?」
私は雅の言葉を遮って、今の自分の立場を照らし合わせて聞いた。
「ああ、…そうだね、これは私の持論だけど……、
いい男に彼女がいるのは想定内でしょ」
「想定内!?」
雅はけろりとした表情で言った。
最初のコメントを投稿しよう!