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「……好きです」
「……」
「……ですけど、ごめんなさい。
迷惑ですよね。
岡崎さんは、佐伯さんのこと忘れられないんですよね」
何も言葉を発しなくなった岡崎さんを見かねて私は謝った。
「…でも、好きなんです」
「……もういい。わかった。
わかったから…」
あー。岡崎さん、顔逸らしちゃった。
「岡崎さん…
ねぇ、岡崎さ…?!」
次の瞬間、岡崎さんの手が伸びてきて、
シェリートニックを握る私の手に触れた。
「……ちょっ…え?」
どきっとなった。
すると岡崎さんは、
私を少し睨むみたいに鋭い目で見つめて…
「…しっぽふりすぎ。犬っころ」
犬呼ばわりした。
「犬っころ?! 私のことですか?!」
「全力で可愛いことするな。
美樹のくせに」
そう言いながら岡崎さんは私の手からシェリートニックを奪っていった。
「…んなっ! それどういう意味…」
「美樹を今すぐ、
めちゃくちゃ抱きしめたくなる」
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