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俺はソファーにもたれたまま、にこりと笑って手招きをした。
「…おいでって…
まだ私、納得いってない!」
「俺のこと想っているなら、一番の望み叶えてよ。はい、抱きついていいよ」
「なにそれッ!?」
めっちゃ不服そうな美樹は、俺に抱きついてこようとしない。
…まだ、餌をチラつかせ仕掛けないと駄目か。
美樹犬は懐いているようで懐いていないんだよな。
「美樹の要望を取り入れて、妥協案出したつもりだけど。まだ何かご不満が? あー…俺に飯作るの面倒とか?」
「そういうことじゃなくて…!」
「勉強しろって言うなら、図書館から帰って飯食べたらその後も家でする。ただ飯の用意は美樹にして貰えたら助かる。…協力してよ。俺の為に」
「うっ…」
とっても渋い顔を俺に惜しげもなく披露してくれる美樹。
だが、そんな悩んでいる姿までもが可愛く思う。
「…分かった。私、ご飯を作りに通う…」
美樹は観念したように力なく返事をした。
「…通う必要はないよ。
帰り遅くなるから、俺の家に毎日泊まって行ったらいい」
「えええッ!?」
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