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「…私も、
もっと祐哉くんのそばにいたいよ…」
立ち上がった俺の腹に美樹は座ったまま手を回して、ぎゅっと服を掴むと顔を埋めながら言った。
「……邪魔かもしれないけど、いてもいい?」
「……その台詞、前にも言ってたな……」
美樹の髪をゆっくり撫でた。
付き合う前、
邪魔かもしれないけど、そばで勉強したいと美樹は言って、心を射抜かれたみたいになったのを今でも覚えている。
なのに今日は、
邪魔したくないからいたくないと、ずっと言い張って、俺のことを想ってなんだろうけど美樹らしくなかった。
「…俺、マジで犬が好きなんだよな…」
「…なんのこと?」
美樹は俺の腹から顔を少し浮かし、怪訝な顔で見上げてきた。
「全力でしっぽふって走ってくるじゃん。媚びるのとは違って、純粋に懐いてくるのが可愛い。
…最近マジで犬を飼おうか悩んでたんだけど…」
「…せっかく勇気を出して甘えてるのに…なんで今犬の話なの?」
美樹はムッとした顔で俺を睨んだ。
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