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その日の夜、
もちろん俺は、美樹の家に無理矢理泊まった。
美樹は狭いシングルベッドが嫌だったらしいが、ぴたりと寄り添い、美樹を抱きしめ寝るのは心地がよく、朝までぐっすり眠った。
次の日から半同棲のような、美樹が俺の家に泊まる日々が始まった。
俺が夜、図書館で勉強をしている間、美樹はまず自分の家に帰り、晩飯を作るとタッパーに詰め込む。
着替え一式持って俺の家に移動すると、俺が帰るのを待った。
勉強を終え、疲れて家に帰った時、
カーテンから漏れる明るい光が見えると自然と顔が綻んだ。
「お帰りー! お疲れさま。
先にご飯にする?」
美樹は玄関で必ず出迎えてくれた。
「先に食べる。腹減った…」
軽くキスをしてから靴を脱ぎ上がる。
スーツの上を脱ぐと美樹がそれを受け取る。
…まるで新婚生活みたいだった。
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