342人が本棚に入れています
本棚に追加
美樹がまだ部屋に止まっているのを、見なくても感じていた。
だけどそのうち出て行くだろうと思い、かまわず俺はペンを握った。
正直すぐ勉強モードには入れないがしかたない。
一週間後に受ける今回の試験は俺の好きな内容で、受かる自信はあったけど、今日はまだ一度も問題を解いていない。
寝る前にちょっとだけ解いて、いつものペースに戻そう。…そう思った。
「…祐哉、ごめん、邪魔してもいい?」
出て行くと言った美樹が、そばに寄ってくる。
黙ったままノートを開き、ペンを走らせていると、俺の肩に彼女はそっと手を置いた。
俺が顔だけ振って見上げると、
急に美樹から唇を重ねてきた。
最初のコメントを投稿しよう!