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「……美樹のが強引…」
唇が離れると、そこには照れた顔。
「…だって、やっぱり寂しくて」
「なにそれ? …ワガママだな。
勉強しろって言ったり、出て行こうとしたり、なのに寂しいなんて」
「……ごめんなさい」
今度はしゅんとした顔。
美樹は色々な顔を俺に見せる。
ふっと思わず、笑みがこぼれた。
「…もう一度抱きしめていい?
美樹を充電したあと、勉強するから」
美樹から返事を聞く前に、俺は座ったままその場に立っている美樹の首に手を伸ばし、引き寄せ抱きしめた。
「…ワガママも可愛いよ。
一生懸命しっぽ振って、俺のことに好きってアピールしているみたいで」
「…祐哉ってホント犬変換、好きだよね…」
クスクス笑いながら美樹は俺にもたれ掛けるように抱きしめてきた。
そして俺の耳に、可愛い声で愛を注ぐ。
「…ごめんね?
零時までのあと数分間だけ…
側にいさせて」
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