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付き合うまではこんなに幸福な時間が訪れるだなんて、正直思いもしなかった。
美樹のことは可愛いとは思ってもタイプではなかったし、仕事場で恋愛なんて俺の中では万に一つもなかった。
なのに…
気がついたら好きになっていた。
「……責任、取れよ」
決めた。
「……え? 責任?
ちょっ…わッ!!」
……俺は、絶対こいつを離さない。
ベッドに押し倒してやろうかと一瞬思った。
が、願掛けしているのに! と、後で怒られるか泣かれるところが頭を過ぎった。
だから代わりに、気持ちをありったけ伝えようと、美樹の髪をぐっしゃぐしゃに撫でまわしてやった。
「もおーっ! 信じられない!」
美樹は俺の手を払い離れると、ボサボサになった頭を抱えて、抗議の目で俺を見下ろした。
俺は平然と座ったまま見上げる。
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