*番外編*-2

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一階から美樹の声がした。 階段の下を覗くと、心配そうな顔で美樹は見上げていた。 「…美樹、上がって来ていいよ」 少し声を張って呼んだ。美樹は頷くと階段を上り、俺のそばへ寄ってきた。 「…茜ちゃん、寮には連絡済みで戻らないみたい。…先にもう寝るって」 「…そう。まじで戻らないつもりか。 あいつ」 茜は結構な意地っ張りだ。 こうと決めたら頑なに自分の意見を通そうとする。 「……本当に今から勉強するの?」 美樹は笑顔を浮かべつつも、機嫌をうかがうような声色で聞いてきた。 「うん。そのつもり。 …取りあえず、美樹も部屋に入る?」 俺はなるべく優しい声で答えると、部屋のドアを開け中に入った。 「…ん。じゃあ少しだけ…」 少し戸惑いつつも、ほっとした顔を美樹はすると続いて部屋に入ってきた。 勉強するためにシステムデスクの前に座る。テキストを取り出しぱらぱらと捲った。 美樹はベッドの手前、座椅子にちょこんと腰掛けると、 「私、すぐに出て行くから。 …今日は茜ちゃんの部屋で寝るね」 破壊的な言葉を放ち、 俺のやる気を一気に削いだ。
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