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俺はぱたんとテキストを閉じた。
好きにしろとは言ったが、美樹まであいつの部屋で寝るとか言い出すなんて…
「…茜の我儘に付き合うことないよ。
買い物も無理して行かなくていい」
俺は椅子から立ち上がるとベッドに移動し、倒れこむように寝そべりながら言った。
すると美樹は俺の方に体の向きを変え、茜の味方をした。
「…私、無理して合わせたりしてないよ? 茜ちゃん、私と仲良くしてくれて嬉しいし、買い物は私も行きたいし」
俺ははぁ…と大きなため息を吐いた。
「…茜がなんでそこまで美樹に懐くのか、
ちょっと謎」
うつ伏せに寝そべりながら顔だけを美樹に向け、俺は呟いた。
…正直、面白くない。
優先順位を間違えている。
犬同士仲良く戯れて駆け回るのはいいが、主人が呼んだら直ぐに戻ってこないと…お話にならない。
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