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美樹は目を伏せ、逡巡してから言った。
「……あのね、茜ちゃんから…聞いたの」
「……茜から何を聞いたの?」
言葉を切り、少し言いにくそうにする美樹に、話の続きを促した。
美樹は重い口を開く。
「実は…
祐哉と茜ちゃんの間に女の兄妹が産まれてたかもって…」
「え……?」
俺は驚いて上半身を起こし、美樹を見た。
「私のこと、お姉ちゃんのように思ってくれているんじゃないかな?」
美樹は少し苦笑いを浮かべて言った。
「……悪い。そのことを黙ってて…」
真摯な声で俺は謝った。
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