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「は? 茜に…彼氏?!」
茜の通う大学は女子大だ。だから純粋に驚いた。
「…しかも彼氏さんはこっちの地元で、なんか一人暮らし? らしいよ」
「え…。なんか、…信じられない。
あいつに彼氏とか想像出来ない…」
俺は体を起こし、ベッドに胡座をかいて手を口元に持っていく。動揺しているのを隠した。
「…兄妹だと特にそういう話って多分しないよね。
普段は賄い付きの寮生活だし、お母さんは単身赴任のお父さんについて行って、友達もまだそこまで料理に長けている子もいないから、教えて貰ったり腕を磨く機会がないって相談受けてたの」
「…それで、最近俺の晩飯作っている美樹に近づいてきたのか…」
「うん。…茜ちゃん、本当可愛いよね」
美樹はふふっと笑って言った。
「…茜に、美樹から料理教わるのはいいけど、俺の邪魔はするなって言っといてくれる?」
「えー? やだよ。
私は邪魔と思っていないし」
「俺との時間を割いてまで、
あいつに付き合う必要はない」
俺は腕を前に組み、呆れた顔で美樹を見た後、顔を逸らした。
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