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「祐哉くん?」
ベッドに手を付き、美樹が俺の顔を覗き込もうとしているのを目の端でとらえた。
かまわず俺は顔を逸らし続けた。
「あー…なんか勉強する気、無くした」
「…今日は私の誕生日だし、1日ぐらい勉強しなくても余裕で大丈夫だったんじゃないの?」
「……今日の美樹ちゃんはとっても可愛いね。
いじめたくなる」
「可愛いと思うなら優しくしてよ…」
ふうと美樹は大袈裟にため息をつくと、ゆっくりベッドによじ登って来た。
「…はい。どーぞ」
ベッドの上で美樹は正座をした。
「……どうぞ。て…なに?」
どうぞの意味がわからず、俺が呆気に取られて固まっていると、美樹はかまわず俺の目の前までずいっと近寄って来た。
「…優しくしていいよ。てか、
…してみて」
美樹は少し頬を赤らめながら言った。
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