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「は? なに急に…」
「うーん…。
あと少しで私の誕生日終わっちゃうし、その前に普段言えないこと、言ってみようかなって…」
美樹はさらに顔を赤くして、顔を俯き気味にして言った。その様子が可愛らしかった。
「へぇ…優しくしていいんだ?」
なので俺は意地悪く、含みのある言い方をした。
「…あまりジロジロ見ないでよ。恥ずかしい」
美樹は頬を膨らませ、ぷいっと顔を横に振った。
…いじらしく、甘えて来ようとしているのが見て取れた。
そして今、無意識なのも分かっている。
だけど全てがいちいち俺の好みで…
自制心がうまく機能しない。
俺は真っ赤になった美樹の頬に手を伸ばした。
「…どう優しくしてあげようかなって、思ってね」
「…普通でいいです」
すると美樹は、
急にふわりと抱きついてきた。
「……本当に今日はありがとう。
とても楽しかった」
驚いて動けなくなった俺の背に手を回し、ぎゅっとしながら囁き声で、
美樹は心を込めて言ってくれた。
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