342人が本棚に入れています
本棚に追加
胸に温かいものがこみ上げてくる。
…想われているって気持ちがいい。
俺はそれを伝え応えるため、美樹を大切に抱きしめ返した。
しばらく無言で噛みしめるように抱き合った後、そのまま美樹の頭を優しく何度も撫でた。
「…試験が終わったら、どこか遊びに連れて行くよ。…ゆっくり温泉とか」
「…無理に連れて行ってくれなくてもいいよ?
祐哉と一緒にいられるならそれで十分…
私のことは…いいから」
美樹はさらにぎゅっと俺を抱きしめる。
美樹の優しさに触れ、愛しさが溢れ零れそうだ。
彼女の腕の中、安らぎを感じた。
「…俺が行きたいの。美樹と温泉とか…」
離れているとき、
心も体も常に美樹を欲して止まないけど、
今、全ては満たされているって、
純粋に思えた。
最初のコメントを投稿しよう!