第2章

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漸く一個の小さなおにぎりを食べ終わり、お茶を取りに冷蔵庫へ向かった。やっぱり、身体が重い。 あり得ない場所で赤川を受け入れて、お互い散々欲を吐き出した。怠くて当たり前だ。 直ぐそばにあった赤川の体温。今まで聞いたことのない、艶のある甘い声。きっとそれは恋人しか知らない姿で。間違ってそれに触れた俺ですら、思い出すだけで身体が熱くなる。 …………どうしよう。 まだ、耳に残る掠れた囁きに、熱い吐息。 ーーー麟太郎と呼ぶ、低い声。 …………駄目だ、思い出したら駄目だ。 冷蔵庫から出した冷たいお茶を一気に飲んで、この熱を冷まさなくてはとむきになりゴホゴホとむせる。 駄目だ、駄目だ、駄目なのに………。 ベッドに腰掛け、反応した自身に手を触れると脈打つそれがいつもよりも硬く変化していることを知る。 『麟太郎…………可愛いよ…』 目を閉じた瞬間、数時間前の自分に戻ってしまう。熱に浮かされ、信じられない快楽に堕ちた自分。 「…………んっ、…………ふ、…………っふ……………ん」 ゆっくりと手を動かすと溢れる蜜がクチクチと音を響かせ、あの熱を思い出す。 『麟太郎…………麟太郎っ』 右手の動きを早め、快楽に身を任せる。身体中を這う赤川の長い指が、俺を追い詰めていく。 「……んっ、あ、イクっ、楓っ………っ」 ああ、俺。一体何をやっているんだろう。
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