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赤川は俺に、抜いてやるだけだから大丈夫だと言った。だってお前、忙しくて溜まってるよな?って、俺の耳朶に口を付けながら。まるでキスをするように囁いた。
…………俺、何で頷いたんだろう。
恥ずかしさの余り俯いていた俺が、ちらりと盗み見た赤川は。まるで獲物を仕留めたハイエナみたいに舌舐めずりをして、ペロリと口唇を舐めた。
…………抜く、だけだよな?
「じゃあさ、汚れたらいけないからこれ脱ごうな?」
また、熱い息を吹きかけられながらおかしなことを言われた筈なのに、コクリと頷く俺。
…………おかしいな、何でいちいちこいつの言うことを聞いているんだろう。
赤川の優しく強引な誘導は続く。
「ほら、俺も脱ぐからお前も早く脱いで。…………それとも、俺に脱がせて欲しい?」
何で、俺のを抜くだけなのにお前まで裸になるんだ?…………なんて、もはやまともな思考力なんて欠片も残っていない俺は、大した疑問も持たず言われたようにジャージを脱ぐ。
いつもなら、こんな貧相な身体を晒すなんて絶対しないのに。例え赤川の前でも、裸になんてならないのに。…………まあ、理由もなく脱いだら変態だけど。
とにかくぼんやりとした頭に上手く誘導を受けて、気が付いたら向かい合って座る真っ裸の男が二人。
…………いや、もうどうしたら良かったんだろう。
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