320人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「どうだった?」
「まだ分からないよ、1分経ってからじゃなきゃ。
じっと見守るのも変かなって、中に置いてきちゃった」
「そうか。
とりあえず待つしかねぇな」
真昼間に神妙な面持ちで、トイレ前に立ち尽くす男女。
第三者が見たら、異様さに眉をひそめるだろう。
張り詰めた空気にコミカルさが見え隠れして、私の強張りはほんの少しだけ緩んだ。
そうこうしているうちに、ゼロさんが腕時計をチラリと見やって、低く呟く。
「そろそろ1分だ」
最初のコメントを投稿しよう!