第1章

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私を見下ろすコージの瞳は、男のくせになんだか色っぽくて……さらに鼓動を加速させた。 あぁ、どうしよう……私の、し、心臓の音……絶対、コージに聞こえてそう…… ゆっくりと少し斜めに傾けて落ちてきたコージの顔。あぁ、またキスされる……ギュッと目を閉じたら……すぐに、チュッっと、一瞬だけコージの唇が触れて、 「ふふふっ、緊張し過ぎでしょ……」 少し笑ってそう呟いた。目をうっすら開けたら、すぐにまた、降りてきて、慌てて閉じる瞼。 チュッと、今度は私の下唇に一瞬だけ吸いつくようなキスをする。 「大丈夫……力抜いて……」 耳元で囁くコージ。無理、無理、無理、無理、無理、心の中で連呼。 「実尋が緊張してると、俺にもうつる」 って、全然緊張してるように見えないんですけど! チュッと、今度は上唇に吸い付いた。 な、何? この変化球のキスは? 頭が付いてこない。何度も啄むようなキスに、私の呼吸は息も絶え絶えだ……
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