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それから……10分足らずで、コージはリビングへと戻ってきた。初めて見た部屋着はグレーのハーフパンツに、黒いTシャツ。超リラックスモード。当たり前か……これから寝るんだもんね。
頭から肩にかけて、真っ白なタオルをかぶってはいるけれど、ポタポタと雫が垂れ、意味をなしてない……
兄はいるけれど……ちょっと違う。
豪快っていうか……なんていうか……私の気の持ちようかな……とてもドキドキする。
ソファに座ったママの姿勢で、その姿をじっと見つめる。
コージは冷蔵庫から冷えたペットボトルをつかみ、グビグビと、喉を鳴らして飲んでいる。ただそれだけの仕草なのに、なんだか、色っぽくて……視線がくぎ付けになる。
瞬きすら忘れていたら……
「おいおい、それ以上見られたら穴があいちゃうよ、実尋ちゃん♪ いくらなんでも俺の事、見すぎじゃない?」
からかうような口調で、ニヤリと笑い、ドキッっと大きく胸が鼓動した。目の前に手を差し出され、鼓動は加速していく。
驚きに戸惑いながらもそっと右手を重ねたら、グイッとソファから引き上げられ、そのまま洗面所へと向かう。
「好きなの使っていいから」
軽く言い捨て、コージは退散。パタンとドアが閉まり、私は再び一人。
「ふ、風呂に入れってことか……」
ポツリと呟き、あたりをキョロキョロ。
「あれ?」
見覚えのある洋服。手に取ってみたら……
「嘘っ」
私の部屋着だった。
「なんでここに?」
唖然とした瞬間、ハラリと何かが舞い落ちる。
「ん?」
目を凝らしたら、
「ギャッ!」
慌ててひっつかむ。それは、まぎれもない、私のパンティだった。それも、一番のお気に入り。ピンクの紐パン。
な、な、な、な、なんでここにあるの?
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