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だけど、あたしだって、少しずつ成長する。
体だって、女になっていく。
中学校に入学したばかりのある日。
部活にも入っていなかったあたしは、いつものように、夜遅くまで寄り道してから帰宅した。
その頃はまだ、1人でカフェなんかに行けば、周りに訝しがられるような年齢だ。
図書館やら公園やらで、じっと時が経つのを待っていた。
家の中にいたのは、相変わらず、綺麗に着飾ったお母さんと知らない男だった。
だけど、お母さんは眠っていた。
中に入ってきたあたしを捉えた男は、濁ったような目であたしを見つめ、にやりと笑った。
あの顔が、今でも瞼の裏に焼き付いて離れない。
あれがあたしが初めて見た、“男”の顔だったから。
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