とある雪の日、とある場所で

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へぇ、カメラマンさんなんだ。 やっぱりモデルさん、て感じ。いや、勝手なイメージか。 「じゃあ年上なんだね」 「それがねぇ、あんまり変わらないの。だけどすごい人だって」 すごい人って何なんだ。 ...まぁ、言いたいことは伝わるけど。 「あーあ、あたしも彼氏ほしい。切実に」 「切実にって。こないだまでいたじゃん」 亜由佳は、ほんの最近、半年くらい続いていた彼氏と別れたばかり。 「終わったことはもういいの!それより美莱は?瀬戸内とどうなの?」 「どうなのって言われても...」 瀬戸内とは、あたしの彼氏、瀬戸内真司のこと。 真司とは中学3年の時から付き合っていて、高校に入って1年2年と同じクラス。 「美莱と瀬戸内って仲良いよねぇ。ほんと羨ましい」 「普通だと思うけど...。ただ付き合いが長いからじゃない?」 よくそう言われるけど、自分ではいまいち実感できない。 学校でも特に一緒にいるわけでもないし、ちょこちょこ喋るくらいなのにな。 でもまあ、はたから見ればそう見えるのかも。 真司って、そういうように見える振舞いとか上手そうだし。
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