Love hunter 12

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『あ、そういえば。』

『ん？なに？』

玉ねぎをリズミカルにスライスする手元から、目をそらして聞き返してくる部長。

慣れてるんだなぁ、料理するの。

『いつもご飯作ってるんですか？』

『それなりの時間に帰れたらね。じゃなかったら、酒とつまみで済ませちゃうかな。』

『そうなんだ……。』

『彩星は？いつもご飯どうしてるの？』

部長が鍋に水を入れて、火にかけている。

『早く帰ったら自炊で、たまに友達ともご飯食べて…あとは実家が近いので。』

『いいね、実家が近くて。』

『思い出したんですけど、温泉で人参をくれたの覚えてます？』

皮剥きが終わった人参をまな板に戻した。

『輪切りを２枚で、あとは細長くスティックにして。
人参あげたのは、ちゃんと覚えてるけど、あげた理由は言わないよ。』

指示をするついでに、教えてくれないと言われて。

どうしても、知りたくなる。