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『いただきまーす。』
私が手伝ったのはほんの少しで、オニオングラタンスープと、サラダと、トマトとバジルのパスタが色鮮やかに並んでいる。
部長の手料理が食べられるなんて、幸せ…。
『どう?』
パスタを綺麗にフォークに巻き付けて、部長が聞いてきた。
『すーっごく美味しいです。部長、流行りのイケメンシェフになれますよ!』
『あれってさ、本当にモテるの?』
『めちゃくちゃモテますよ。お店も流行ります。あ、でも今以上にモテたら心配だから、私と友達と会社の人と……部長の友達さんが通いつめます。』
『ぷっ。それ、流行ってんの?』
見つめて、笑いあって。
本当に、幸せ…。
『スープ、熱い方が旨いから飲んでみて。』
薄くガーリックバターを塗ってトーストされたフランスパンを押すように、スプーンを差し入れた。
『あっ!可愛い!』
ピョコっと顔を出した、ハート型に型抜きされた人参。
『それ、ちょうだい?』
『へ?』
顔を上げたら、あーんって口を開けた部長がいて。
……その開き加減、なんだかすごく……。
『この前あげたから、お返しに彩星のハート、ちょうだい?』
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